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March 24, 2005

萬代橋景観フォーラム

かいです。

今日は、19日に行われた萬代橋景観フォーラムについての報告です。っていっても、あれから数日。休みとかもあったのにかいは、何怠けていたのだろうか。

しかし、週末は、行事続きで、そこで多くの人達と出会い、集いました。そんな人達とつながりを作る作業を色々としていました。
色々な行事に出ていると、様々な人達に出会います。そんな人達にこの景観フォーラムを紹介することで、全く異なるグループの人が私を通じて出合ったりもします。そんなお手伝いをいくつか行っていました。

今日も更新をあきらめようとしましたが、今日明日は、東京に出張に行かなければなりません。そんなこんなで、更新が週末になるとやばいなと思い、概略更新することにしました。

ところで本題。

DSC01427萬代橋景観フォーラムは、新潟で活動しているまちづくり5団体(都市環境デザイン会議新潟、にいがた寺町からの会、新潟まち遺産の会、NPO法人新潟水辺の会、NPO法人まちづくり学校)が連携して、萬代橋の景観について、考え、行動していこうという事で、昨年より開催されています。




DSC01428
今回の会場は、NST新社屋「ゆめてらす」。かつて、INTA新潟でのフィールドワークでも使用された会場です。
今回のフォーラム、1月29日に照明実験、2月3日に色彩フォーラムと行われたものの集大成として行われました。

今回の柱は二つ。一つは、リレートーク、もう一つは、萬代橋の照明実験です。

その前に、新潟大学教授で水辺の会の大熊孝氏による「萬代橋景観宣言」。が発表されました。
DSC01431
これは、本文と萬代橋のアーチにちなんだ6連の想いからなっており、本文では萬代橋の景観を育む行動を起こす事が、うたわれており、萬代橋の6連の想いの中には、協働、自然との共生、統合、品位、民力、そしてまちづくりの象徴としての想いが綴られています。(独断と偏見による解釈ですが)

まずは、リレートークから。

第一ラウンドとして、京都大学大学院教授の樋口忠彦氏と新潟まち遺産の会の大倉宏氏による、「萬代橋の景観的価値を考える」です。

まず、最初に樋口先生より、景観は、「見方」の問題ではないかとの指摘がありました。萬代橋が、歴史的にどう見られているか考えるかが必要ではと指摘されました。
そして、萬代橋の景観は、萬代橋と、信濃川双方がかもし出すものであり、信濃川にも目を向けるべきと指摘されました。
日本橋は川から見たデザインを重視していたそうです。萬代橋も、日本橋の影響を受けて作られたのですから、水辺を中心としての見方もあるのではないかと、おっしゃいました。

次に、色彩計画家の吉田慎吾氏と、都市環境デザイン会議新潟の上山寛氏による、「萬代橋周辺の環境デザインを考える」です。

よく外国の色彩研究者が、日本を訪れると、最初は日本は、色彩感覚の無い国だと感じるそうです。しかし、しばらく滞在しているうちに、素晴らしい色使いがある事に気づくそうです。
そんな中、それぞれの地域には、そこにある木、土、石の色等が醸し出す、「風土色」あるのではと指摘されました。
現代は、科学技術の発達で、様々な色が簡単に手に入るようになりました。そして、商業主義とも相まって、様々な色が氾濫しています。しかし、色を使うにはそれぞれの街の持っている地域性を重視していくべきではと指摘されました。
そして、その色使いには、適度な変化と統一感が必要であり、関係性で色を考えるべきであると、おっしゃいました。
そして、萬代橋近辺の色使いについては、そんなに悪くないが、もう少し、下層部に色気があってもいいのではそそして、上層部が暗くならないように気をつけるべきとおっしゃっていました。
最後に、色のバランスを考えながら、もっと積極的に色を使ってもいいのではと提言されました。

次に、NPO法人まちづくり学校の小疇弘一氏と、NPO法人新潟水辺の会の相楽治氏による、「景観を育む仕組みを考える」です。二人とも、市民活動の立場から、景観作りを語り合います。
DSC01435
まず、小疇氏が、私にとっての萬代橋の景観とは、万代シティが出来る前の貯木場があったころの風景だと当時の写真を交えて語りました。
そして、80年代に入り、万代島の再開発の話が出て、「何か大きく変わるのではないか」と危機感を感じ、有志で、24時間万代島フォーラムを開催したそうです。この会は、万代島の倉庫を借りて、そこで24時間語り合うという会で、開発という変化に対し、市民から何か発信しなければという強迫観念から行動を開始しました。市民サイドから、様々な信濃川を楽しくする提案がなされました。
そして、萬代橋は、誰のもの?行政のものではなく皆のものではないかと考えたとき、「出しゃばらない」事が大事ではという話になりました。建物の色使いにしても、ネオンの使い方にしても、そこには作法が必要ではと指摘されました。
そして、相楽氏より、普段着のような考え方が必要だという事を、「朱鷺はカラスだ」という例えを交えながら話しました。決して、祭り上げるものでなく、普段にそして、自然にある事が大切であると、おっしゃっていました。
そして、話は企業を巻き込む仕組みづくりについて進みます。
最近は、企業の社会貢献が求められ、環境へ配慮する企業が多くなりました。環境を破壊し、ほんのわずかな金儲けをするより、環境という付加価値を付ける事で企業価値を高めたほうが、良いのではという流れになってきています。
萬代橋においても、景観を破壊する建物を建てるより、景観に配慮し、パブリックスペースを設けて、企業価値を高めたり、そこから見える美しい景色を楽しんでもらえるようなレストランを作ったりして、経済的にもプラスになる事例が増えてきています。
そんな中で、仕組みづくりが求められています。
そんな中、環境と、社会と、経済の調和が必要であり、それが、持続的な景観維持、発展につながるのではという提案がなされました。
最後に、今、景観作りはもう遅いのではという声もありますが、景観作りは、50年100年単位で考える話ではないかと指摘がありました。今、景観にマイナスな影響を与えている建物も、やがては寿命が来ます。とにかく、景観を意識する事が景観を浴すると共に、景観整備機構のようなしくみづくりが必要だという提言が出されました。

中途半端となってしまいましたが、出かけねばならない。
ひとまず。

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March 19, 2005

目白押し

かいです。

最近は、まちづくりのイベントが目白押しです。

今日は、萬代橋景観フォーラムが行われ、明日は、下町シンポジウムが行われます。
先日は、新潟駅周辺整備の駅きかく会議が行われ、ブログに書かなければならない事も、目白押しです。

と、書いた以上、これは全て記事にしなければなりませんね。
ああ、大変。
そういえば、東京の洋食屋の記事も風邪で書きそびれたっけ。

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March 15, 2005

参加型パネルディスカッション~くらしと防災・安全なくらしのために 2.

かいです。

久々の本格更新。
しつこい風邪もようやく下火となり、やっとこのブログを更新しようという気が出てきました。
今回風邪を引いた中で、拙いブログの管理人かいに対し、様々な方から、お見舞いのメッセージ、メールをいただきました。心より感謝申し上げます。

ところで、今回は、2/19に行われた、7.13水害及び中越大震災についての参加型パネルディスカッションの報告の続きです。
あれから、一ヶ月近く経つのですね。ネタとしてはかなり古くなっており、記憶も大分薄れて来ましたので、果たして、このテーマで記事を書いていいのかと迷いましたが、中途半端に止めるとまとまりが無くなってしまう感じがしましたので、続きを書く事にしました。

           ◇                    ◇

講演では、畠中氏が、最新防災技術の立場から、石月氏が経験から、阿部氏が体験からそれぞれ発表を行ったが、今回のパネルディスカッションは、先に発表いただいた、畠中氏、石月氏、阿部氏に加え、技術士会北陸支部青年技術士委員長の堀田氏と、当日司会の小見氏が加わって行われた。

参加型パネルディスカッションとは、従来のパネルディスカッションのように、壇上でディスカッションを行った後、質疑応答という形式ではなく、パネラーと聴衆が、一体となってディスカッションを行う形式である。

まず、今回の震災を通じて感じたことを各人が述べる。

今回の災害は、大変大きな犠牲を払ったが、思っても見ない様々なものが見えて来た。
お年寄り等の災害弱者の問題、地域の防災力の低下等の問題が見えてきた。我々は、自ら災害に立ち向かうのではなく、行政等に頼り切っているのではないかという声が聞かれた。
地域の者自らが災害に対峙していく力を身に付けていく必要があるのではとの声が聞こえた。

そんな中、過去の知恵に学べとの声も聞こえた。

今回の災害では、元気なお年寄りが、過去の経験からとても良いアドバイスをしたり、リーダーシップを取り、地域をまとめたりした。
又、今後の河川改修に関しても、かつて行われた霞堤二線堤等の発想を生かすべきではないかとという意見が出た。
今回の水害では、近代の河川改修で行われた旧川を締め切った所が切れているという。
堤防を頑丈にし、水を効率的に流すという近代の河川改修の限界に対し、洪水を許容し、その中でいかに我々が生きるかについて考えるべきではないのかという意見が聞かれた。
そして、実際に刈谷田川では、遊水地が設けられるとの話が聞かれた。

そして、市民が実際に災害に対し、どう対処していくかについて話が進む。

とにかく、最近の市民は、災害に対し無頓着だという。
水害の際に、マンションの上階の住民は知らん顔で、平気で風呂に入ったりして、水を流したりしているという。
自分に被害が及べば、声を高らかに行政批判を行ったりするのだが、被害が及ばなければ、全くの無関心という市民のあり方は反省すべきでないのかとの声が挙がった。
そして、町内会等を通じた地域のコミュニティ作りが必要だという声も聞かれた。
今回の災害では、皮肉なことに災害に対処する中で、地域のコミュニティが深まったという声も聞かれた。
安全安心のまちづくりといっても、なかなか実感が湧かないものである。しかし、地域の特性を踏まえた上でのまちづくりが求められている。

そんな中、その地域が災害に対しどうなのかという情報が見えにくくなっている問題が挙げられた。

昔は地名に、「池」とか「浦」等、水に関する名前が付いていたりして、水害に対し弱い地域だという事が地名を通じて分かったものだが、最近の開発行為では、そのような地名を変更し、感じの良い地名を付け、それをごまかしたりしている。
又、行政側も、災害に対し弱い地域という事を認識しないで、開発許可を出したりしている。
この地域が災害に対し、どうなのかという情報開示が必要である。そんな中、ハザードマップを利用したりして、行政、市民とも、その地域の情報を知る事が必要なのではないのかとの意見が出た。

そんな形でディスカッションは進んでいったが、私なりに要約すると、三つの要点に整理されるのではと思う。
一つ目は、過去から学ぶ事の大切さ、
二つ目は、市民の意識、コミュニティの問題、
三つ目は、情報の行政と市民の共有の問題。
とまとめられるのではないかと思う。

過去から学ぶ事の大切さについては、人間は本来災害に弱いものだと思う謙虚を思い起こすべきではないだろうか。昔の家は、現在の家に比べて、作りは頑丈ではなかった。しかし、地震で倒壊しても、人が死なない作りだったという。又、低地に建てられる家は、床を高くしていたという。
災害という脅威に対し、それに対抗できる力を持ち合わせていなかった昔の人は、災害と上手に付き合いながら、自らの生活を守っていた。そんな昔の知恵に学ぶべきではないのか。

市民の意識とコミュニティの問題については、災害から身を守るのは行政ではなく、自分自身だという事を肝に銘じるべきである。
災害時は、行政の担当者も被災者であり、行政の力も限界なのである。そんな中、まず、自分たちで、そして、周りの人達と、それでも及ばない部分は、公の力を借りるという、「自助、共助、公助」の考え方が重要ではないのかと思う。

情報の行政と市民の共有の問題については、やはり行政の情報開示が重要である。どの地域が、どんな災害の際危険なのかという情報を市民にハザードマップのような形で、分かりやすく示すべきではないのか。
行政が情報を独占する事は、市民の自ら地域を守るという意識を低下させている。
そして、普段から市民と行政の間でコミュニケーションを取る事も必要である。

以上、私なりにまとめてみたが、うまくまとまったであろうか。

災害では、今までのシステムが役に立たず、市民の生身の姿が明らかになる。
普段から、市民力を高めていく事が必要である。

かなり、分かりづらい文章になってしまいましたが、何らかの参考にしていただければ幸いです。


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March 14, 2005

イベント情報~第3回下町学シンポジウム

かいです。

新潟の下町についてのシンポジウムです。
伝統ある街並みと、独特の匂いを持った新潟の下町。
しかし、それが生かされず、ある意味味気ない感じもします。
道路の拡張等で古くからの建物が壊され、大きく変わろうとしている下町ですが、伝統を活かしつつ、新たなまちづくりを行って欲しいと思います。

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第3回下町学シンポジウム -混沌から調和へ-

新潟の町建てから350年―
下町には、今なお町家や路地などの歴史的資源が豊富に残っています。しかし、これ
らの魅力を十分に活かしたまちづくりがなされているのでしょうか。

混沌から調和へ―
下町が下町であり続けるために、これからのまちづくりを一緒に考えていきましょ
う。

日時:平成17年3月20日(日)15:00~18:00(14:30 受付開始)
会場:新潟グランドホテル 5F波光の間
   新潟市下大川前通3-2230 TEL 025(228)6111
   ※駐車場に限りがありますので公共交通機関をご利用下さい。
参加費:無料
申込:不要(自由参加ですのでお気軽にお越し下さい)

主催:新潟大学工学部建設学科都市計画研究室、同意匠・計画研究室
   (株)本間組下町研究プロジェクトチーム

内容:
1.下町学の調査・研究発表
 ・歴史的建造物の残存状況と特徴
 ・下町における路地の形態と分布
 ・下本町地区の町並み景観の現状とデザイン誘導の検討
 ・町屋型集合住宅の提案
 ほか全7題
2.パネルディスカッション「下町づくりの方策を考える」
 パネラー:篠田昭氏(新潟市長)、土屋利信氏(寿町町内会長)、
樋口忠彦氏(京都大学教授)、黒野弘靖(新潟大学助教授)
 司会:岡崎篤行(新潟大学助教授)

問い合わせ:新潟大学都市計画研究室 025-262-7213

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岡崎篤行 新潟大学工学部建設学科
950-2181新潟市五十嵐2の町8050
Tel&Fax: 025-262-7208(直通)
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March 08, 2005

イベント情報 萬代橋景観フォーラム

かいです。

3/19に萬代橋景観フォーラムが開催されます。
このフォーラムでは、「萬代橋景観宣言」が発表される予定です。
みなさんも、萬代橋とその景観について考えましょう。


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萬代橋とその周辺の景観を考えるシンポジウム
   【萬代橋景観フォーラム】~「みなとまち新潟」風景の育て方~
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平成17年3月19日(土)2:45PM~6:30PM
会場:NST新潟総合テレビ社屋内 イベントホール NSTゆめてらす
参加費:無料 ※申し込み不要・直接会場にお越し下さい

主催:萬代橋景観フォーラム
   事務局 〒950ー0994 新潟市上所1-12-7(NPO法人まちづくり学校内)
        tel/fax 025-241-3722
後援:新潟市 国土交通省北陸地方整備局新潟国道事務所 
国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所
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『萬代橋と信濃川の景観は、私たち新潟市民共有の財産』
 私たち「萬代橋景観フォーラム」を構成する5つの市民まちづくり団体は、この萬
代橋信濃川の景観を市民共有の宝として、その価値を守り、さらに明日の新潟市へそ
の価値を継承するために、その基本理念をとりまとめ、自ら積極的に萬代橋・信濃川
の景観を活かした都市空間の形成に向けて取り組む姿勢を示すため「萬代橋景観宣言」
を発表します。「景観法」を活用した萬代橋景観まちづくりを促進するため、市民お
よび関係団体等への萬代橋・信濃川景観まちづくり提言を行います。

1、リレートーク~萬代橋周辺景観が持つ可能性を育む~    
   
   第1ラウンド 「萬代橋の景観的価値を考える」
          樋口 忠彦氏(京都大学大学院教授) 
           聞き手:大倉 宏(新潟まち遺産の会・美術表評論家)
    
   第2ラウンド 「萬代橋周辺」の環境デザインを考える」
          吉田 慎悟氏(色彩計画家) 
           聞き手:上山 寛(都市環境デザイン会議新潟・建築家)
    
   第3ラウンド 景観対談「景観を育む仕組みを考える」
          小疇 弘一(NPO法人まちづくり学校・建築家)
          相楽 治(NPO法人新潟水辺の会・水辺のまちづくりプランナー)
    
   第4ラウンド 「萬代橋の夜の景観を引き出す方策」
          面出 薫氏(照明デザイナー) 
          聞き手:岩佐 明彦(にいがた寺町からの会・新潟大学助教授)
     ※コーディネーター:岡崎篤行(新潟まち遺産の会・新潟大学助教授)

2、萬代橋景観宣言
    宣言:大熊 孝(萬代橋景観フォーラム代表・新潟大学教授)

3、「ばんだいばし てらーす」萬代橋照明実験
  ※終了後、懇親会を予定しています。
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「萬代橋景観フォーラム」とは?
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萬代橋景観フォーラム」に所属する5団体は、それぞれの団体が新潟市への愛着と思
いを有する団体としてたような活動をしています。
 この会は、萬代橋の景観について各まちづくり団体が立場を超えて萬代橋の景観、
さらに新潟のシンボリックな都市環境である信濃川の水辺空間の都市デザインのあり
方などを提言するとともに、市民自らが萬代橋の景観を育てるための仕組みづくりと
機運を高めることを目的とします。

「萬代橋景観フォーラム」
構成団体5団体
 ○都市環境デザイン会議新潟
 ○にいがた寺町からの会
 ○新潟まち遺産の会
 ○NPO法人新潟水辺の会
 ○NPO法人まちづくり学校
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懇親会
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3月19日「萬代橋景観フォーラム」終了後に懇親会を行います。
日時:平成17年3月19日(土) 7:00PM~9:00PM
会場:信濃川ウォーターシャトル
   ※乗り場 万代シテイ臨時船着場(NSTから徒歩にて移動)
会費:5500円(予定)
    ※35名以上であれば5000円で行けそう
    ※学生割引検討中。3000円くらい?
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