萬代橋景観フォーラム
かいです。
今日は、19日に行われた萬代橋景観フォーラムについての報告です。っていっても、あれから数日。休みとかもあったのにかいは、何怠けていたのだろうか。
しかし、週末は、行事続きで、そこで多くの人達と出会い、集いました。そんな人達とつながりを作る作業を色々としていました。
色々な行事に出ていると、様々な人達に出会います。そんな人達にこの景観フォーラムを紹介することで、全く異なるグループの人が私を通じて出合ったりもします。そんなお手伝いをいくつか行っていました。
今日も更新をあきらめようとしましたが、今日明日は、東京に出張に行かなければなりません。そんなこんなで、更新が週末になるとやばいなと思い、概略更新することにしました。
ところで本題。
萬代橋景観フォーラムは、新潟で活動しているまちづくり5団体(都市環境デザイン会議新潟、にいがた寺町からの会、新潟まち遺産の会、NPO法人新潟水辺の会、NPO法人まちづくり学校)が連携して、萬代橋の景観について、考え、行動していこうという事で、昨年より開催されています。
今回の会場は、NST新社屋「ゆめてらす」。かつて、INTA新潟でのフィールドワークでも使用された会場です。
今回のフォーラム、1月29日に照明実験、2月3日に色彩フォーラムと行われたものの集大成として行われました。
今回の柱は二つ。一つは、リレートーク、もう一つは、萬代橋の照明実験です。
その前に、新潟大学教授で水辺の会の大熊孝氏による「萬代橋景観宣言」。が発表されました。
これは、本文と萬代橋のアーチにちなんだ6連の想いからなっており、本文では萬代橋の景観を育む行動を起こす事が、うたわれており、萬代橋の6連の想いの中には、協働、自然との共生、統合、品位、民力、そしてまちづくりの象徴としての想いが綴られています。(独断と偏見による解釈ですが)
まずは、リレートークから。
第一ラウンドとして、京都大学大学院教授の樋口忠彦氏と新潟まち遺産の会の大倉宏氏による、「萬代橋の景観的価値を考える」です。
まず、最初に樋口先生より、景観は、「見方」の問題ではないかとの指摘がありました。萬代橋が、歴史的にどう見られているか考えるかが必要ではと指摘されました。
そして、萬代橋の景観は、萬代橋と、信濃川双方がかもし出すものであり、信濃川にも目を向けるべきと指摘されました。
日本橋は川から見たデザインを重視していたそうです。萬代橋も、日本橋の影響を受けて作られたのですから、水辺を中心としての見方もあるのではないかと、おっしゃいました。
次に、色彩計画家の吉田慎吾氏と、都市環境デザイン会議新潟の上山寛氏による、「萬代橋周辺の環境デザインを考える」です。
よく外国の色彩研究者が、日本を訪れると、最初は日本は、色彩感覚の無い国だと感じるそうです。しかし、しばらく滞在しているうちに、素晴らしい色使いがある事に気づくそうです。
そんな中、それぞれの地域には、そこにある木、土、石の色等が醸し出す、「風土色」あるのではと指摘されました。
現代は、科学技術の発達で、様々な色が簡単に手に入るようになりました。そして、商業主義とも相まって、様々な色が氾濫しています。しかし、色を使うにはそれぞれの街の持っている地域性を重視していくべきではと指摘されました。
そして、その色使いには、適度な変化と統一感が必要であり、関係性で色を考えるべきであると、おっしゃいました。
そして、萬代橋近辺の色使いについては、そんなに悪くないが、もう少し、下層部に色気があってもいいのではそそして、上層部が暗くならないように気をつけるべきとおっしゃっていました。
最後に、色のバランスを考えながら、もっと積極的に色を使ってもいいのではと提言されました。
次に、NPO法人まちづくり学校の小疇弘一氏と、NPO法人新潟水辺の会の相楽治氏による、「景観を育む仕組みを考える」です。二人とも、市民活動の立場から、景観作りを語り合います。
まず、小疇氏が、私にとっての萬代橋の景観とは、万代シティが出来る前の貯木場があったころの風景だと当時の写真を交えて語りました。
そして、80年代に入り、万代島の再開発の話が出て、「何か大きく変わるのではないか」と危機感を感じ、有志で、24時間万代島フォーラムを開催したそうです。この会は、万代島の倉庫を借りて、そこで24時間語り合うという会で、開発という変化に対し、市民から何か発信しなければという強迫観念から行動を開始しました。市民サイドから、様々な信濃川を楽しくする提案がなされました。
そして、萬代橋は、誰のもの?行政のものではなく皆のものではないかと考えたとき、「出しゃばらない」事が大事ではという話になりました。建物の色使いにしても、ネオンの使い方にしても、そこには作法が必要ではと指摘されました。
そして、相楽氏より、普段着のような考え方が必要だという事を、「朱鷺はカラスだ」という例えを交えながら話しました。決して、祭り上げるものでなく、普段にそして、自然にある事が大切であると、おっしゃっていました。
そして、話は企業を巻き込む仕組みづくりについて進みます。
最近は、企業の社会貢献が求められ、環境へ配慮する企業が多くなりました。環境を破壊し、ほんのわずかな金儲けをするより、環境という付加価値を付ける事で企業価値を高めたほうが、良いのではという流れになってきています。
萬代橋においても、景観を破壊する建物を建てるより、景観に配慮し、パブリックスペースを設けて、企業価値を高めたり、そこから見える美しい景色を楽しんでもらえるようなレストランを作ったりして、経済的にもプラスになる事例が増えてきています。
そんな中で、仕組みづくりが求められています。
そんな中、環境と、社会と、経済の調和が必要であり、それが、持続的な景観維持、発展につながるのではという提案がなされました。
最後に、今、景観作りはもう遅いのではという声もありますが、景観作りは、50年100年単位で考える話ではないかと指摘がありました。今、景観にマイナスな影響を与えている建物も、やがては寿命が来ます。とにかく、景観を意識する事が景観を浴すると共に、景観整備機構のようなしくみづくりが必要だという提言が出されました。
中途半端となってしまいましたが、出かけねばならない。
ひとまず。
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