August 05, 2005

五十嵐川づくりに市民参加の芽

かいです。

ご無沙汰しておりました。

先回の更新から、もう20日も経ってしまいましたね。季節は真夏。あっちぇー日々を過ごしている昨今です。

ところで、三条の五十嵐川の改修事業を巡って最近市民参加を模索する動きがあるようです。

市民側としては、有志が集まり、「三条かけはしの会」が結成され、河川改修に伴い架け替えられる橋づくりについて提言したとか...。

http://www.sanjo.biz/050614teiansyo/index.html

私が以前、三条のまちあるきを行った時感じた感想とラップする内容。志を同じくする有志が行動を始めているのは、心強い。

あと、行政側からも動きがあるようだ。<7/28に、五十嵐川の利用と橋のデザインについての意見交換会が開かれたという。

http://www.kenoh.com/newstank/200507/20050729/ikenkoukan/index.html(ケンオードットコムより)

私は、かねてから、今回の河川改修は、行政が市民の意見を取り入れずに突っ走っているという感じがしていたが、行政も市民参加に前向きなようだ。

ただ、懸念されるのは、情報が一般市民に伝わらない事と、一般市民の関心が低いという事である。

「三条かけはしの会」にしても、私が市民まちづくり活動でお世話になっている新潟のNPOの人からの情報だった。行政が行った意見交換会にしても、たまたまネットで調べて後でそんな会が開かれたのかって知った次第である。(地元紙の三条新聞を取っていないからなのだが...)

あと、先回、一新橋改修の地元説明会に出席した時にも感じたのだが、市民は、利害関係が絡まない限り、関心が低い。これから地域がどうなるか?どのようにしていきたいのかについて意見を述べる人は殆どいなかった。先月行われた意見交換会も、行政が想定していた人数より参加者はかなり少なかったようだ。

このような状況では、せっかく芽生えた市民川づくりの芽がしぼんでしまいそうである。何とかせねばならないと思う。現在、五十嵐川改修事務所と三条市では、五十嵐川に関する検討会メンバーと意見の募集を行っている。多くの市民の意見と参加がある事を期待したい。ただ、検討会メンバーは、三条在住の方のみだそうである。論議を活性化するには、よそ者を入れてもいいのではと思うが...。

http://www2.pref.niigata.jp/niigata/Webkeiji.nsf/7193862acf1154cd49256fc60006bba9/49256fd5005b6a2a4925704c00118655?OpenDocument&Highlight=0,_e229ni44mr089b50_,_22296s448so891bggijqh15ck_,_t226rm44md088t5ggiqoh13sa_,_n2296s44bso890l8gheth13km22bb244fh8_,_6226t044aa489b70ghe6115ck_

今回、このブログにこの事を書いたのも、市民川づくりの芽が、芽生えるようにとの想いからである。

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June 24, 2005

旭町の辺り

かいです。

昨日、所用で、新潟に出かけたついでに、旭町の新大構内にある放送大学に用があったので、立ち寄りました。

そういえば、先日、国の登録有形文化財に「新潟大学医学部表門及び煉瓦塀」「新潟大学旭町学術資料展示館」が登録されたとの事。(新潟県内では、現在みなとぴあに移築された「旧第四銀行住吉町支店」も登録)。私が、放送大学の試験や、スクーリングで訪れる際、いつも、そこにあった建造物が、文化的に価値が高いものとして評価されたことは、感慨深いものがあります。

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「新潟大学医学部表門及び煉瓦塀」は、初めて、「大学」の学生として足を踏み入れたところ。高校を中退し、社会で働くことを余儀なくされた20代。そんな中、社会人でも学べる場として知り、学ぶことを志した放送大学。放送大学の入学式のとき、初めて見たこの門に、身震いした事を今でも思い出します。

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この門をくぐると、大学構内。単位試験の際には、いつも、この煉瓦塀の脇を通りました。単位試験は、夏と冬。夏は汗をかきながら、セミしぐれの中を歩き、冬は、脇の歩道の雪を踏みしめながら歩きました。

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一方、「新潟大学旭町学術資料展示館」は、かつての放送大学の学習センター。中は、意外と使いやすく、綺麗な建物。ここへは、道を変えるため、前の会社を辞めた後、つなぎの為に、二ヶ月程、毎日通った場所。又、スクーリングや単位試験前の学習の為、何回も足を運びました。

この門と煉瓦塀、そして、昔の学習センター、おととしの春、卒業が決まったとき、そして、卒業式(幕張メッセ)で卒業証書を受け取ったとき思い出し、感慨深いものがありました。合コンとかといった、学生時代の楽しみがあった訳ではありませんが、私の拙い大学時代の思い出の場所です。

そんな旭町周辺、結構風情のある場所でもあります。

しょうこん坂。

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ここから、古町の町並みや、NEXTが見えます。ここを下ると古町が近いです。

尚、この辺りには、「グリル有壬」があります。ホテルオークラ新潟直営。120%旨いとは、申しませんが、オークラのレベルの高い味とホテル並みの接客を気軽に楽しめる店です。ランチは、1000円位からあります。

かいは現在、放送大学大学院の選科生。もう少し、この街のお世話になります。

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May 11, 2005

一新橋~さようなら木橋

かいです。

7.13水害で被災した、三条を流れる五十嵐川。そこに架かっていた木橋の「一新橋」が、河川改修に伴い架け替えられることとなった。そして、今までの木橋の解体が本格的に始まった。

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この橋は、かいの町内に架かっている橋。小さい頃は、そんな木橋を「遅れているな」と感じたりしたが、今になって考えると、三条の景色として無くてはならないものであったと思う。小さい頃、五十嵐川の鉄橋に遊びに行った時、いつもあった風景。三条の夏祭りでは、かつて、ナイヤガラ花火が行われたりした。そんな夏祭りの思い出...。

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そして、生活の中で無くてはならない存在だった。通勤では、何年も利用したし、車で東京や大阪に旅行する時には必ず渡った橋。狭くて、でこぼこで危なかしかった橋だが、常に我々の営みの中にあった。

一新橋が通れなくなると、生活が不便になるが、それは我慢しなければならない事。しかし、新しい橋がどのような橋になるかが気がかりである。

行政は、新しい一新橋を、鋼橋かコンクリート橋にすると言っているが、味気ないデザインの橋にしてはならない。木橋の一新橋は、京都の渡月橋を思わせるような橋だった。

三条の復興のシンボルとなるべき新しい一新橋。木橋で架け替えるのは無理としても、どこかに木橋の面影のを残した、五十嵐川の景観にマッチした橋にしていかねばと思う。

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何か行動を起こすべきなのだろうか?

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March 14, 2005

イベント情報~第3回下町学シンポジウム

かいです。

新潟の下町についてのシンポジウムです。
伝統ある街並みと、独特の匂いを持った新潟の下町。
しかし、それが生かされず、ある意味味気ない感じもします。
道路の拡張等で古くからの建物が壊され、大きく変わろうとしている下町ですが、伝統を活かしつつ、新たなまちづくりを行って欲しいと思います。

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第3回下町学シンポジウム -混沌から調和へ-

新潟の町建てから350年―
下町には、今なお町家や路地などの歴史的資源が豊富に残っています。しかし、これ
らの魅力を十分に活かしたまちづくりがなされているのでしょうか。

混沌から調和へ―
下町が下町であり続けるために、これからのまちづくりを一緒に考えていきましょ
う。

日時:平成17年3月20日(日)15:00~18:00(14:30 受付開始)
会場:新潟グランドホテル 5F波光の間
   新潟市下大川前通3-2230 TEL 025(228)6111
   ※駐車場に限りがありますので公共交通機関をご利用下さい。
参加費:無料
申込:不要(自由参加ですのでお気軽にお越し下さい)

主催:新潟大学工学部建設学科都市計画研究室、同意匠・計画研究室
   (株)本間組下町研究プロジェクトチーム

内容:
1.下町学の調査・研究発表
 ・歴史的建造物の残存状況と特徴
 ・下町における路地の形態と分布
 ・下本町地区の町並み景観の現状とデザイン誘導の検討
 ・町屋型集合住宅の提案
 ほか全7題
2.パネルディスカッション「下町づくりの方策を考える」
 パネラー:篠田昭氏(新潟市長)、土屋利信氏(寿町町内会長)、
樋口忠彦氏(京都大学教授)、黒野弘靖(新潟大学助教授)
 司会:岡崎篤行(新潟大学助教授)

問い合わせ:新潟大学都市計画研究室 025-262-7213

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岡崎篤行 新潟大学工学部建設学科
950-2181新潟市五十嵐2の町8050
Tel&Fax: 025-262-7208(直通)
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November 11, 2004

INTA新潟 11/11~総括報告

かいです。

INTA・新潟も四日目。
今日は最終日。今までの討議、活動内容の報告。

まずは、二日目のフィールドワーク及び新潟のまちづくりの市民活動について、「まちづくり学校校長」の小疇(こあぜ)弘一氏の発表。
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二日目に行われたフィールドワークでは、「水辺都市の再生」と「歴史的文化遺産を活かしたまちづくり」というテーマで、二つのグループに分かれて、新潟で活動しているまちづくりグループが案内役となり、それぞれのフィールドでのまち歩きを行ったが、その様子及び、普段の活動についての報告。
詳細(特に水辺)については、二日目の記事に書いたので省略するが、それぞれの日々の活動内容、そして、当日の様子、現地を見て行われたワークショップから、これらのまちづくり活動の成果や課題についてスライドで説明。
この中で、印象的であったのは、従来バラバラに活動していたグループが相互に連携を始めているという事。特に萬代橋リレーフォーラムでは、様々な団体がそれぞれの立場から、「水辺」という一つのテーマについて問題提起をし、それがきっかけとなって、つながりができているというのは大変喜ばしいことである。
あと、私は参加しなかったが、その後の古町で行われた「小路舞」体験、やINTA講師を交えての懇親会「まちづくりナイト」についてもスライドを交えて説明。
特に「まちづくりナイト」は、INTA講師陣が芸を披露してくれたりして大変盛り上がったようで、私も参加すればよかったかなと思った。

次に、三日目の分科会についての報告。
「広域的土地利用」、「住宅」、「商業・地域経済」、「公共交通」の分野での報告。
前日の分科会はとても充実していたので、どんな風にまとまったか興味深く聞く。
各分科会とも、午前中は、現地視察、そして午後は討議と大変忙しかったみたいだが、それぞれの分科会の様子と、そこから導き出された提言は、これからの新潟を含めたまちづくりにとって大いに参考とすべきである。
それぞれの分科会で出されたテーマについて、私なりに感じたキーワードは、
土地利用は、地域力。
住宅は、持続性。
商業はパートナーシップ。
公共交通は、戦略と連携である。
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私は午後からのINTAからの提言、総括報告は聞けなかったが、きっと、日本の新潟を含めた様々な街にきっと大きな宝物をもたらしたのではと思う。

私にとっても、まちづくりを考える上で様々な宝物を得たと思う。
最後に、この会議の準備、運営に当たられたスタッフの皆さん、お疲れ様でした。

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November 10, 2004

INTA新潟 11/10~分科会・公共交通

かいです。

INTAも三日目。今日は、分科会。私は、4時から始まる。公共交通の分科会に参加。

会場は満員。結構関心が高いみたい。
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分科会が始まる。パネラーは、高知工科大の寺部慎太郎氏と、名古屋大の加藤博和氏と、フランスから、建築家で交通問題にも取り組むジャックジョセフ・ブラック・ドゥ・ラ・ぺリエール氏、コーディネーターは、横浜国大の中村文彦氏。各人のプレゼンが始まる。

まず、高知工科大の寺部慎太郎氏が、高知の公共交通の現状と課題について、話す。
高知は、路面電車のある街。かいも、去年の春、高知を訪れ、路面電車に乗った経験がある。「はりまや橋」という言葉が出て懐かしい。都心部に軌道系の公共交通がある街は、街を巡るのに分かりやすく、旅行者にやさしい。
高知市街の路面電車は、日中でも数分間隔で運行されている。ただ、終電が遅い(22時)が難点。
そんな高知の街だが、他の街と同様に路面電車を利用する人が減っており、車依存型の都市交通体系になりつつある。との報告があった。尚、路面電車利用の中心は高齢女性だそうである。
その様な高知の路面電車の現状だが、問題点として、
床が高く乗りにくい。
ノーガード電停(道路と電停の仕切りがない)の存在。
更に、路面電車と同じ路線にバス会社が2社乗り入れてお客の奪い合いをやっている。
等が挙げられた。
解決策としては、
乗りやすい車両の導入。(低床車)
自動車との連携。(パークアンドライド)
マーケティング戦略。
等が挙げられた。
私は、やはり、公共交通の復権には、待たずに乗れるサービスが重要だと思う。車両の運行コストを引き下げ、数分間隔で、走らせるサービスが必要だと思う。
あと、新潟でも、LRTを導入する事が検討されているが、道路計画との関連を考える必要があると思う。高知のノーガード電停の話は、0から軌道系の交通を入れようとしている、新潟にとって、考える必要がある話だと思う。

次に、名古屋大の加藤博和氏より、公共交通の運営について話がある。

まず、地元の岐阜市の現状について話がある。岐阜市も名鉄が、路面電車を走らせているがが、車の台頭でとうとう、廃止が決まったそうである。そこから、導き出されるものの一つとして、公共交通は、営利事業では成り立たなくなっているということである。
そんな中、事業の担い手として注目されているのがNPOである。交通事業の担い手としてのNPOについて、私は当初、担い手としてふさわしいのか少々疑問に思ったものだが、加藤氏の話を聞いていくうちに、NPOこそ、交通事業の担い手にふさわしいと思うようになった。
NPOは、非営利事業である。社会に必要だが、営利事業としては成り立たないものを運営していくものとして期待されている。公共交通が、採算が合わなくなってきている今、NPOの特性を生かし、運営主体として育てていく事が必要だろう。
今回の加藤氏の発表では、東海地方(三重県)のNPOによるバス事業の運営事例が2例ほど紹介された。
地域住民が運営主体となり、通勤者を抱えている地元企業や行政等の支援を受けて運営しているそうである。このような取り組みは、新交通システムの導入を考えている新潟にとって、運営主体すら決まっていない今、よく研究していく必要があるであろう。

更に、加藤氏は、市民、行政、事業者の各ファクターの問題点を挙げる。
市民については、公共交通は、お上から授けられるものとして、自分の問題として考えていないとの指摘があった。
市民には当事者意識が無く、無関心、無責任であるということが、公共交通の衰退に拍車をかけているとの指摘があった。
行政には、お金の出し方に工夫が無い事、交通行政という戦略的視点が欠けているとの指摘があった。
許認可と赤字路線にただ補助金を出すという行政。出すなら戦略的に利用者のニーズを把握しながら、又、お金の出し方も事業者のみに補助金を出すのではなく、利用者側に顔を向けた補助が必要だとの指摘があった。
事業者には、利用者のニーズを捉えるようなサービス開発をまったく行っていないとの指摘があった。
普通の民間企業なら、新製品、新サービスの開発にしのぎを削っているが、こと、交通事業に関しては、その様な発想が全くないとの事である。系統、ダイヤ、運賃の見直し、新車両の開発等、利用者のニーズを捉えたサービス提供が求められるとの指摘があった。
最後に、市民、行政、事業者との調整、そして、公共交通を総合的にコーディネートする、「公共交通プロデューサー」が必要だという話があった。そして、現在、その様な人材は極めて不足しているのでその育成が急務であるという提言があった。

最後に、フランスのジャックジョセフ氏より、話があった。
ジャックジョセフ氏は、日本の公共交通の運営について、100年前の発想という厳しい指摘があった。
次に、世界の交通問題について、概念的な話が続く。
通訳を交えた説明は、私自身訳語に慣れていない為、分かりづらい。ちょうど翻訳本が読み辛く、途中で嫌になる感覚である。
しかし、新潟の様な中規模の都市の公共交通のスタイルはどうあるべきかについての話は、私の関心のテーマであるだけに、興味深く感じられた。
人口が、数十万の規模の都市の公共交通のスタイルは、地下鉄、簡易地下鉄(LRT地下鉄?)、路面電車の選択が非常に難しいとの話があった。
フランスでは、新潟クラスの都市でも地下鉄が導入されているとの話を聞く。新潟地下鉄論者の私にとって心強い。しかし、一方で、ボルドーは一本の地下鉄を作るのなら、同じお金で、路面電車を三路線走らせれれるという選択を行ったそうである。新潟の新交通の導入は、新潟の諸条件を考えながら、市民の合意を得て実現させるべきだろう。
あと、もう少し小規模な地域では、既存のインフラを活用する事が必要だとの話があった。
これは、新潟にも当てはまるのではないかと思う。現在、新潟ではJRでも、信越線、白新線、越後線とあるが、運行間隔、駅前広場の整備、バスとの連携でかなり便利になると思う。最近、私も越後線を利用したが白山駅で30分以上待たされてしまった。これは、施設の問題というより、運営の問題である。
あと、都市計画と、交通のリンクの必要性についても話があった。せっかく開発を行ったのに、交通が不便でうまくいかなかったり、逆に、交通が、利用しにくい場所にあるため、利用者がいない等、都市計画と交通は、一体的に考える必要があるとの指摘があった。又、都市交通の施設は、都市計画の中で、都市のランドマークとして、生かされるべきとの指摘があった。

あと、ジャックジョセフ氏の話の中で、興味深かったのは、ユニバーサルデザインについて、フランスは南欧とともに遅れているとの指摘があった。
我々は、どうしても、ヨーロッパは何事にも先進的であると考えがちだが、実際、ヨーロッパは南北様々な国の集合体である。我々は、きっと、ユニバーサルデザインについて、北欧の事例を見てヨーロッパ全体がそうなんだと思い込んでいるのかもしれない。面白い発見であった。

以上、三氏の発表が終わると、時間は予定終了時刻の6時を回っていた。
実に白熱した、中身の濃い論議でだった。
その後、延長し、質疑応答に入ったが、私は、所用があるので退席した。ずーっと聞いていたかったが残念。

この討議を私なりにまとめると、浮かんだキーワードは、戦略と連携だった。
都市交通問題を考えるとき、皆が、自分の狭い領域のみで考えていなかったか、他者との関係、連携を考えていなかったか。加藤氏がおっしゃった事を引用しながらまとめると、都市交通は、皆が、エレベーターやエスカレーターのように利用すべきものである。利用者が乗りやすく、使いやすいシステムを戦略的に、皆が連携し、考え、都市が育てていくべきではないだろうか。

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November 09, 2004

INTA新潟 11/9~フィールドワーク・水辺都市の再生

かいです。

INTA・新潟も二日目。今日は、フィールドワーク。
私は、「水辺都市の再生」へ参加しました。
通船川、掘割、萬代橋を回る一日。

まず、新潟市役所で受け付け。そこには、「まちづくり学校」の面々。

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やはりと思いながらも、地元新潟のまちづくりNPOで、国際的な集まりの段取りできるというのは、心強い。しかし、準備は大変だったろう。

そうこうしているうちに、9時を回り、市役所のバスで出発!バスは満員。体の大きい私には少々狭い。

まずは、朱鷺メッセの展望台から、新潟の景色を望む。これから回る通船川や萬代橋を望む。

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ヨーロッパの参加者には、ぜひとも新潟の水辺の景観を感じてもらいたいと思っていたが、ヨーロッパの参加者の関心は、もっぱら、山ノ下の工場群。新潟の産業について、質問が続く。
新潟の産業って、石油とか、製紙とか、水に関係あることばかり。産業と、水辺の関係についてという別の切り口について、眼を開かせられる。
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水辺の空間というと、とかく最近は、美しい景観を創り上げるにはどうしたらいいか、ということについてばかり注目させられるが、本来、水辺は生活の場であり、生産の場であったはず。まちというのは本来、営みの場であったのだから、まちと水辺について、そういう観点から、見ていく必要もあるだろう。

次に、さっきの山ノ下の工場群の脇を流れる通船川へと向かう。ここは、市民と行政が協働して川づくり、地域づくりを進めている区域である。

この川は、新潟の工場群の脇を流れており、天然ガスの汲み上げによる地盤沈下等で排水能力が低下し、汚染が激しく、全国でもワースト5に入るほどの汚い河川であった。
又、新潟地震においても大きな被害を受け、その復旧に鋼矢板が使われ、自然とのつながりを完全に失った河川であった。
しかし、これではだめだと、志ある市民が立ち上がり、又、河川復旧に使われた鋼矢板がぼろぼろになって機能を果たせなくなり、その改修を考えていた行政が一緒になって、自然豊かな川を取り戻そうと行動を始めたのがきっかけである。そして、平成10年の8.4水害を機に、その動きが更に大きくなって、今では、素晴らしい水辺空間を取り戻しつつある地域である。

最初に、通船川の治水の拠点であり、又、市民と行政の川づくりの拠点である山ノ下閘門排水機場を見学する。
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ちょうど、いかだに組んだ木を運ぶところを見学。水位調整の為、閘門を通過するところ。閘門を開けると、水位は2m近く下がる。通船川は、日本海の水位より、低いのである。
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その後、管理事務所で、市民リーダーと行政の担当者の川づくりの取り組みを聞く。
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川づくりの夢を語る市民と、それを基に精いっぱい行動している行政の姿は、とてもほほえましく感じられました。
更に感心させられたのは、小学校の総合学習に、この川づくりを取り入れ、子供にも川づくりを考えてもらい、未来の川づくりの人材を育てようとしている事です。川づくりを未来に継承しようという取り組みです。

更に、こうして行われた川づくりの生の姿を見に現地へ。従来の矢板護岸と、市民と行政が一緒になって川づくりを進めた境界線に立つ。
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現地の川は、かつて全国有数の汚い川という面影はなく、清流とは言えないまでも予想以上にきれいでした。鯉も住み着いているようです。
ただ、現地では、今まで立地していた工場が、工場の老朽化と不景気により次々と撤退をしているようです。汚染を生みながらも現地の生活を潤していた工場の撤退。何だか皮肉な感じもします。
企業の社会貢献が求められている今、これから更に進められる川づくりには、市民と行政の他に、ここで操業する事業者も交えた協働が必要かと思います。
          ◇                  ◇

次に、みなとトンネルをくぐり、対岸の下町(しもまち)に。そこでは、新潟の掘割について考えます。

まずは、新潟市歴史博物館「みなとぴあ」に。
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ここは、6月末から7月にかけて「萬代橋展」を行ったところ。私もその時、わずかながら案内ボランティアをさせていただきました。んー懐かしい。

そんなこんなで昼食に、昼食は「掘割弁当」。新潟の掘割の再生を考える市民グループが作った物で、その由来と、掘割再生の市民の取り組みを旧第四銀行住吉町支店を移築した建物で聞く。
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その後、昼食。掘割弁当は、新潟の幸がいっぱい。うなぎといくらが乗ったご飯。それに鮭の焼き漬け、塩イカ焼き、麩、玉子焼き、えび、菜と甘えび、なすの味噌いため、川がにの揚げ物と続く。更にデザートは笹団子。盛りだくさんの新潟の幸をいただく。結構、美味。特になすの味噌炒めが美味しい。笹団子も本格的な味。
しかし、私は、はっきり言って、この弁当をまた食べたいかといったら、はっきり行ってNOである。なぜなら、ボリュームが少ない。確かにおかずは多く美味しいのだが、肝心のご飯が少ない。新潟は米の国なのだから、もう少しご飯の量を増やすべきでは。
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昼食後、まちあるき開始。
まず、みなとぴあのすぐ脇に少しだけ復元された早川掘を見学。これぞ新潟という景色だか、20m程か。かつて、早川堀の復元が本格的に動き出したが、40%の地域住民の反対があり、挫折した経緯があるそうである。
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かつて、早川堀があったところで話を聞く。
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次に、バスで、かつて堀のあった東堀通りを通り、白山神社脇に。

ここは、一番堀のあったところ。ここで又、話を聞く。DSC00550.JPG


この辺りは、地盤沈下の影響で、地盤が低く、堀を復活させてもポンプアップさせなければならないとの事。私は、ここまでしてまで堀を復活させる必要があるのか疑問である。しかし、掘割再生を考えている人達も、単なる観光の目玉としての復活では、意味を成さない。生活レベルまで考えていかなければならないと考えているようだ。

次に、西堀通りを通り、西大畑公園に。

この公園内にも堀が復元されている。堀の周りには柳。新潟の掘割を何とか復活させたいとの思いが伝わる。
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かつての堀には、階段がついており、市民が下に降りて、堀の水を洗濯や洗物に使ったそうである。

私も、昔の写真で掘割と古町芸妓が写っている写真を見て、素晴らしいと思う。新潟のどこかに復活できればといいなとも思う。掘割の再生には、平成と言う時代における市民と水辺のかかわりについて、深く論議する必要があると思う。

          ◇                  ◇

続いて、萬代橋周辺に、左岸のグランドホテルの辺り。ここは、かつて萬代橋誕生祭で、ロウソクを灯して、お祝いをした場所。ここで萬代橋リレーフォーラムの話を聞く。
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萬代橋周辺の景観問題等にについて、新潟のまちづくりに関係する人達が、集い、語り合う場。私は、時間の都合上この会には出た事は無かったが、萬代橋周辺の景観問題について、志ある人達が動き始めている事は喜ばしい。

続いて、萬代橋を渡り右岸へ。かつて萬代橋誕生祭で、お祝いメッセージを集めたり、オープンカフェを行った場所を歩く。
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川岸から萬代橋を眺めると、75周年を記念して復元された橋側灯が、周囲とマッチしてとても素晴らしい景観を生み出している事を改めて感じる。
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しかし、その一方で、川岸にはマンション群。これらのマンション、果たして周囲の景観を考えてデザインされたのだろうか。
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続いて、NSTの新社屋で、意見交換。NSTの新社屋は、川面を表に設計されているそうである。
今までは、川を背に考えるのが常識だったが、建物と水辺の関係も変わりつつあるようだ。
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萬代橋とその周辺の景観問題。志ある人達は動き出しているが、一般市民の関心は低い。どうやって一般市民を巻き込んでいくか、特に川岸に住む人達をどうやって巻き込んでいくかが課題である。
あと、景観問題は、高さの規制の問題に終始しがちだが、建物のデザインについてや、公共スペースを取り入れる事についても、建物を建てる人達と、景観を考える人達(特に地川岸の住民)の協働の場が必要かと感じた。


          ◇                  ◇

続いてワークショップに。
その前に、大阪から来た人を新潟駅に送る。この会の為に、わざわざ遠くから来た人もいる。脱帽させられる。
あと、新潟駅周辺整備事業が近々始まる新潟駅の周辺について、INTAの人達は、どう感じただろう。


バスは、WS会場の新潟市役所に、お疲れ様でした。
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ワークショップは、ポストイットを使う方法。

今日感じた事を、1項目づつ書き出す。紙は、3枚もらったが、書きたいことが多く、結局10枚近く書いてしまった。

ポストイットを整理している間に質疑応答。INTAの人達を交えながら、色々な質問が飛び交う。中には京都から来た人もいて、またびっくり。
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ポストイットがまとまり、発表。要約すると。
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通船川については、川から地域へ、線から面のアプローチが必要。
掘割については、その必要性について、生活という立場から考える必要あり。
萬代橋景観については、理念が必要。

とまとまりました。

かいが、今回のまち歩きで感じたことは、水辺とは、生活空間であるとのことでした。
生産と生活の場である通船川、かつて、生活を支え、これからの生活で必要性を模索する掘割。マンションに住む人達の生活の場の景観の問題。
水が、生活のありとあらゆる場で必要だということについて、又、それを生活の場において、大切に使い、育てることの重要性を感じることのできた一日でした。

うあー長ーい。


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November 08, 2004

INTA新潟 11/8~オープニング

かいです。

いよいよ今日から朱鷺メッセで「INTA・新潟」世界都市政策会議が始まりました。
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それにしても凄い面々。ヨーロッパの偉い先生方を始め、(勉強不足で顔と名前が一致しません)。国内からも、樋口忠彦氏や大西隆氏、簑原敬氏等、都市計画の第一線で活躍されている先生達が、一同に会したという感じです。
新潟のまちづくりが大きな岐路に立たされている今、これだけの人が集まり、新潟の街を舞台にして、討議するというのはとても幸運だと思います。又、私も縁あってこの会議の出席者に名前を連ねる事ができた事は、とても幸運だったと思います。

ところで、今日の報告及び感想。
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かいは、国際会議は始めて。緊張と、好奇心で会場に...。
イヤホンを当て、外人の話を同時通訳で聞く。何か偉くなった気分。しかし、英語のスライドは読めない。教養不足をつくづく感じました。
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今日は、都市と農村の関係や、都市景観の話や人口減少問題等が話し合われました。
その中で私は、人口減少問題が印象に残りました。人口減少時代の都市のあり方として、大西氏の「逆都市化時代」と簑原氏の「コンパクトシティ」の意見が対立。しかし、この対立、未来の都市でいかに快適に過ごすかについての方法論の違いかと思いました。
私は、人口減少時代の都市とは、都市の勝ち組と負け組の差が著しくなる事だと思っています。国内人口が増えようが減ろうが、魅力のある街は人口は増え続けると思います。そんな中で全国一律に人口が減るのを前提に議論を進めるのは、おかしいのではと思います。人口が減って栄えた街は無いと思います。

素人の暴論かと思いますが、お許しください。

明日は、新潟市内のフィールドワーク。私は、水辺空間のグループでまち歩きします。

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October 21, 2004

誕生日、誕生祭

かいです。

またまた、久々の更新。
ところできのうの台風(特に雨)は凄かったですね。あの雨はの勢いは、7.13水害を彷彿とさせるようでした。しかし、県内に大きな被害が出なくて良かったです。
ただ、西日本では、大きな被害が出たみたいですね。同じ日本海側の舞鶴とか豊岡とかは凄い被害のようです。7.13水害の時の三条と同じ光景です。これからボランティアが必要になるのかなと思います。
かいも、この前の水害の恩返しにどこかでボランティア活動をしたいとも思っているけど、西日本は遠すぎるし。んー。

長い前置きのあとの本題。
今日は、かいの誕生日。○歳になってしまいました。他人に年の話をするのがためらわれる年齢に...。年相応の立ち振る舞いが出来れば何のこと無いけど、それが出来ないなとつくづく感じてしまいます。
それはさておき、誕生日と言えば、「萬代橋誕生祭」。あの日から二ヶ月が経ちました。(強引に持っていく)
ただ、誕生祭の時に最高潮だったテンションが、最近、大分下がってきたなと感じています。自分自身もそうだし、我が「萬代橋ワークショップ」も元気が無い感じです。
「誕生祭」という明確な目的があったときには、みんなスケジュールを調整して、何とか成功させたいと頑張ったのに、目標を失った時、活動の意義を見出せなくなってしまったからだと思います。あと、みんな、仕事とかを抱えている身なので、そんな余裕がないのかもしれません。
ただ、「萬代橋」ってやることいっぱいあると思います。この橋から発せられる「何か」をみんなにどう伝えていくのか、という事や、この橋と周りの景観をより良いものにしていくにはどうすればいいのか、という事等、考えつくことは多くあります。
誕生祭が終わって、興奮が冷めた今、これからの「萬代橋」を考える事が重要かと思います。普段からの心がけとほんの少しの行動が、先の結果に大きな影響を与えるのかなと思います。

これって、○歳になったかいのこれからの生き方にも当てはまらない?


■情報コーナー
私が少しだけ顔を出している「日本都市計画家協会」より、山形でのイベントの案内です。
お隣の県の人々も頑張っているなと感じました。山形は、少し足を伸ばせば行けるので、ご案内します。

    日本都市計画家協会 Email:jsurp@japan.email.ne.jp
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 ★ 第2回「地域サロン in 山形・蔵プロジェクト」のご案内 ★
懇親会~蔵を中心とする街歩き&勉強会【宿泊予定:ホテルキャッスル】
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 昨年夏の地域サロン in 小布施に続き、今年は山形市に蔵プロジェク
トを訪ねます。山形市の中心市街地には150棟あまりの蔵が現存します。
「ヤマガタ蔵プロジェクト」とは、山形市に現存する空き蔵を新しい
視点で捉え直し、街に再生させようという試みです。
(蔵プロジェクトのHP http://www.kura-project.com/frame2.html)

日程は概ね次のようなものを予定しています。
参加ご希望の方は、下記フォームにご記入しお申込ください。
集合場所等の詳細は、追ってご連絡します。
             (担当:交流委員会 高橋徹・藤井康幸)
11月13日(土)
 18:00 懇親会(蔵・オビハチにて)
     予算 5,000円程度

11月14日(日)
 午前  蔵を中心とする街歩き(東北芸工大学生によるご案内を予定)
 13:30~16:00 勉強会(蔵・オビハチにて)
   パネラー(予定)
   ・小嶋正八郎氏(小嶋商事(株)代表取締役、蔵・オビハチオーナー)
   ・山畑信博氏(東北芸術工科大学助教授)
   ・新関氏(香味庵・まるはち蔵オーナー)

宿泊:ホテルキャッスルのホテルを予定
    予算 8,000円程度(朝食込)
   (割引料金のため、人数把握後まとめて申し込みます。)

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◆参加申込み欄・申込み欄のみ返信願います。
氏名:
所属:
連絡先:
コメント:
参加イベント(該当するものに○を付けてください):
 (  )11月13日(土)18:00 懇親会
 (  )11月14日(日)午前  街歩き
 (  )11月14日(日)13:30 勉強会
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以上

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October 17, 2004

うあぁー

かいです。

しばらく更新をサボってしまいました。気が付くと三日も...。最近、ネタがないのでつい...。

でも、そうこうしている間に、新潟駅の周辺整備の「駅きかく会議」のHPが仮オープンしました。(10/14)
新しい新潟駅づくりのWEB上の市民参加の場です。
かいも時々お邪魔しようかと思います。

では、今週も良い一週間でありますように。

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